【6】肉体の死がすべての終わりではないけれど。


帰省の際には、母の実家にもよく遊びに行きます。

 

祖父母に会うのを楽しみにしているのですが、祖父は2,3年前に病気を患い、完治はしたものの、そこから寝たり起きたり、そして、その頃には寝たきりに近い状態になっていました。

 

この時の帰省の際には、具合が悪く、祖父は病院に入院をしていました。

 

私は祖父の笑った顔が好きです。

 

祖母にちょっとたしなめられて、その時に私の方を見て、ニヤッと笑うんです。

 

そのお茶目な感じが好きなのです。

 

そんなお茶目なところもある祖父ですが、とても責任感が強く、周りの人たちから頼りにされる、情に厚い人でもあります。

 

そんな祖父が少しずつ弱っていく姿を見るのは、なんとも淋しいのです。

 

早く元気になってほしいと願うのですが、お別れの日が近いのも感じていました。

 

今回が最後にならなければいいんだけど・・・そう思いながら、病院に会いに行きました。

 

上手く話せない祖父だけれども、祖父の気持ちは伝わります。

 

私の好きな変わらない祖父の笑顔もその日は見られました。

 

祖父の手をさすると、とても温かなエネルギーが流れるのを感じました。

 

また会いに来るからね、と約束をして、その日は病院を後にしました。

 

それから3日ほど経った日の夜中、悲しい知らせを受けたのです。

 

今まで待っていてくれたんだなって思いました。

 

今までみんなのために頑張って留まっていてくれたんだなぁって。

 

身体もうまく動かせないのに、みんなに「ありがとう」ってそればかり最後の頃は言っていた祖父。

 

自分の最後が近いことも全部わかっていたのでしょうね。


そして、みんなが祖父の死を受け入れるのにも苦労することをわかっていたから、気を使ってくれていたんだろうなって思います。

 

肉体の死を迎えることが人間にとって、すべての終わりではないと、ソウルリーディングを通して私は理解しているつもりです。

 

それでも、もう魂が留まっていない祖父の身体を触っても、温かいエネルギーを感じられないことがこんなにも淋しいものなのかと痛感させられるのです。

 

肉体を持って、エネルギーを通わせ合い、何げないことで笑い合い、楽しい空間を共有することは、過去には存在しても、現在、未来にはもう存在しないのだと思うと、とてもとても淋しいのです。

 

でも、これが生と死の順番であり、彼はこの世での役目を無事終えて、元の世界に帰って行ったのです。

 

いつかまたどこかで祖父と会う時が来ることを願って、私も前を向いて歩いて行きたいなと思ったのでした。